接吻の途中で、幼な妻の身体を蹴飛ばして寝室から出て行くたぁ、いったいどういう了見か。もっとも、ベッドに残された当の妻エドワードは特に気分を害した様子も全くなく、むしろニヤニヤとその金色の瞳を意地悪く輝かせながら、洗面所のほうに駆け込んでいく騒々しい足音を聞いていた。
洗面所の扉が勢いよく開けられれば、次には水が勢いよく流れおちる音が寝室まで聞こえてくる。その後、しばらく繰り返されたうがいの音に、エドワードは腹が捩れんばかりに笑い、ベッドの上でのたうちまわる。腹が痛い。笑いすぎて、窒息死しそうだ。
ややあって、滴る水を拭うのもそこそに寝室に戻ってきたロイは、屈辱の眼差しでエドワードを見下ろしてきた。 「やってくれるじゃぁないか、エドワードっ」
「美味しかった?」
「最低だ!」 頬を真っ赤に高揚させて怒鳴りちらす夫の、情けなさといったら。
「だってさーオレも飲み込みたくなかったしー。あれ、不味いんだよなー」
「だからといって、私に飲ませるのか、君は!!」
「キャッチアンドリリースっていうの? 捨てるのもあんまりだしー」
「エドワードっ!!!!」



下品ですみませ……(鋼の錬金術師/2005.11.30)(2006.01.30加筆修正)