「ありがとう、光也くん」
泣きはらした光也の顔に、慶光は穏やかに笑いかけた。
何もしてやれなかった、と光也は嘆き、ジぃちゃんの願いを叶えられなかった、と光也は泣く。これが運命だったというのなら神様はなんて残酷なのか、と光也は神を罵った。
「いいえ。いいえ、光也くん」
奇跡だと慶光は笑った。そう、これを奇跡と呼ばずして何と呼ぼう。
記憶のなかで今尚、鮮やかに笑う彼の傍に、己の分身とも言うべき人がいてくれた。それは、確かな奇跡だった。
続き続く奇跡の足跡 060115